ヘアカラー(ブリーチ剤)で脱色したシャツの色修正

前回に引き続きヘアカラーの事例ですが、特に狙ったわけではないです。

ヘアカラーによるシミは、洋服を染めてしまうパターンと、薬剤により洋服の色が脱色してしまうパターンがあります。

たぶん、脱色してしまうパターンの場合は、ヘアカラーというかブリーチ剤ではないかと思われ、厳密に言うとヘアカラーではないと思うのですが、今回はヘアカラーの事例としてお話させていただきます。

ブリーチ剤って、成分として、アンモニアなどのアルカリ薬品や、過酸化水素なんかが含まれているそうです。

過酸化水素とかって、強力なシミ抜き剤として使う薬品なんですが、そんな強力な薬品が入った物が洋服に付いたら、そりゃあ色も抜けるわな、と納得。

洋服 ヘアカラー脱色 修正前

ちょっと色目が分かりにくいんですが、紺色のシャツが(おそらく)ブリーチ剤で脱色しています。

このような場合、着物のように家庭で水洗いしない物であれば、染料で色修正をするんですが、シャツのような家庭で洗濯する物の場合、染料ですとどうしても生地に留まる力、定着力が弱いので、樹脂の入った特殊な顔料という物を使います。

顔料と染料の決定的な違いは、透明感の違いです。

染料は透明感がある色なので、重ね塗りすれば透明感を保ったまま色を濃く出来るんですが、顔料はどんなに染料に近い性質の物でも、透明感欠けますので、塗り重ねると、艶などが違和感の強い物になってしまいます。

ですので、顔料と染料では、色修正の理論のような部分は、ちょっと違う部分があります。

塗り重ねると艶などに違和感が出やすい顔料で色修正する場合は、基本的に色を重ねて修正するのが難しいので、色は一色か多くても二色ぐらいで修正するようにしています。

洋服 ヘアカラー脱色 修正後

違和感が出ないギリギリのラインで色修正しています。