ジャケットに付いた、謎の油性シミの染み抜き

シミの原因が分かっている場合、「あの薬剤を道具を使えば落とせるな」という感じで、作業を行う前からシミを落とすイメージが浮かびます。

そして、そのようにシミが落ちるイメージが頭に浮かんだ場合は、どんなに難しそうに見えたシミでも、落とせる場合が多いです。

また、シミの原因が分からない場合でも、染み抜きの作業工程とシミが落ちた状態のイメージが頭に浮かぶ場合は、見た目に難しそうに見えるシミでも、スッキリと落とせる場合が多いです。

今回お預かりしたジャケットに付いたシミのご依頼は、見た目には「油性のシミだろうな」ということは分かったのですが、単なる油性のシミの場合ではあまり見ない状態でもあったので、シミがスッキリと落ちるイメージが頭に浮かばなかった事例となりました。

ジャケット 油のシミ 染み抜き前

画像をよく見ていただくと分かると思うのですが、油っぽいシミの中心に、赤い色素があります。

単なる油性のシミの場合、このように赤い色が含まれるというのはあまりなく、四半世紀以上染み抜きをしているボクでも、ちょっと不可解なシミでした。

さらに、このお品物はすでにクリーニング店さんで染み抜きを行っても落ちなかったお品物ですので、通常のシミとはまたちょっと違うシミの可能性が高いシミでした。

ジャケット 油のシミ 染み抜き後

なんて、偉そうに講釈をたれましたが、油性の染み抜きをしっかり行ったところ、綺麗さっぱりと落とすことが出来ました。

しかし、未熟ながら、赤い色素が何だったのか?は、謎に包まれたままでした。