古いシミというのは、ご依頼者もシミの原因が分からないことがほとんどです。
変色シミは濃い黄色というか茶色になっていることが多いので、その見た目から「たぶん醤油のシミだと思うんですが…」と仰る方が非常に多いのですが、本当に醤油のシミだったことはほぼありません。
麻のノースリーブのブラウスに、変色シミが出ております。もちろん、醤油のシミではありません。
このような麻の生成り色の生地の場合、黄変・変色シミの染み抜きを行うと、ほぼ100％の確率で、地色が激しく脱色してしまいます。
染み抜き屋としても、出来るだけ地色を抜かずにシミだけを抜きたいのですが、そうもいかないのが生成り色の麻の厄介なところでして、普通のクリーニング店ではまず間違いなく染み抜き出来ないと断られてしまう事例だと思います。
染み抜き屋でも色を抜かずにシミを抜くことが出来ない場合はどうするか？ といいますと、「染み抜きで色が抜けるなら、色を戻せば良いのよ」と、かのフランス革命の時の王妃のような考えでいくしかありません。
とは言え、言うは易く行うは難しで、見た目に違和感が出ないように色修正で直すのはそう簡単なことではありません。
地道に色修正（染色補正）の経験を積んだ職人だけが出来る職人技が、一般的なクリーニング店と本当の染み抜き屋を明確に分ける技術の差となります。
写真写りの関係で、違う商品のように見えるかもですが、同じお品物の染み抜きと色修正後の画像になります。
よーく見ると若干色ムラがありますが、まず分からないぐらいには直せているかと思います。
【参考価格】画像部分のみの染み抜き 10,000円程度（税別）
（※注※染み抜きは洋服の生地の素材・色合い・シミの濃さなど、状態によって料金が変わってきます。あくまで一例の参考価格となります。クリーニングその他加工は別途料金となります。）
