カットソーに洗濯で付いた謎のシミ

「洗濯する前にはなかったシミが、洗濯した衣類を乾かしたら出ていた」というご相談は、それほど多いという訳ではありませんが、それなりにあるご相談です。

ご家庭で洗濯される場合、多くの方は大手メーカーさんが販売している洗濯用洗剤を使って洗濯されるかと思うのですが、使用法通りに容量用法を守って洗濯した場合はあまり発生しませんが、通常の洗濯方法ではなく、洗剤の原液を衣類に直接塗布したり、あるいは洗濯機の洗剤投入口ではなく洗濯槽に直接洗剤を投入したりすると、洗剤が衣類に付着してシミになったり、場合によっては衣類の色を脱色・変色させることがあります。

 

 

撮影に使ったスマホのカメラのホワイトバランスのせいで、ちょっと色目がおかしくて分かりにくいかと思うのですが、綿のカットソーを普通に洗濯して干して乾かしたところ、洗濯前にはなかった全く身に覚えのないシミが付いていたそうです。

ご依頼者様に状況をヒアリングしましたが、洗濯後に付いていたシミということで、特にこのようなシミが付く食事をした覚えもないとのお話でしたので、まず最初に考えたのは、何らかの原因で洗濯洗剤が付いてシミになったのでは?ということでした。

ただ、ヒアリングの過程で分かったのですが、ご依頼者はこのシミを見つけてからシミの部分に中性洗剤を付けて揉み洗いをしたということらしく、それであれば洗濯洗剤が付いたシミであればもっと薄くなるはずなので、洗剤が付いてシミになったという可能性は低くなりました。

次に考えたのは、シミを総合的に観察して予想したのが、油脂類のシミではないか?ということでした。

染み抜きには原則がありまして、どのようなシミかがハッキリと分かっている場合を除くと、まずは油性の染み抜きから始めて、それで落ちなければ水性の染み抜き、それで落ちなければタンパクの染み抜き…といったような手順を踏んで染み抜き作業を行います。

これはどうしてかというと、この順番を守らずに染み抜きを行ってシミが上手く落ちなかった場合、染み抜き作業前よりもシミが落ちにくくなることがあるからです。

 

 

今回のこのシミは、染み抜き作業から導き出される結論を申しますと、洗剤でも油脂類でもなく、おそらくタンパク質を含んだシミでした。

ただ、ご依頼者のお話ではそのようなシミが付くような食事などをした覚えはなく、また洗濯前にはなかったシミということでしたので、何のシミが付いたのか?は、最後まで謎のままでした。

【参考価格】画像部分の染み抜き 4,000円程度(税別)
※注※染み抜きは洋服の生地の素材・色合い・シミの濃さなど、状態によって料金が変わってきます。あくまで一例の参考価格となります。クリーニングその他加工は別途料金となります。)