黒留袖の着物の柄と金彩の染み抜き修正とクリーニング

結婚式の際に、新郎新婦のご母堂様が黒留袖の着物を着られることは、今の時代でも比較的主流のようです。

もちろん、それは会場などでのレンタルも含めてなのですが、新郎新婦の母となられる方の世代は嫁入り道具として黒留袖を持参されていたりして黒留袖をご自身で所有されている方も多く、ご結婚式前の黒留袖の染み抜きやクリーニングは、年間を通じて比較的多いご相談だと思います。

黒留袖は、お子様やご親戚の方の結婚式に着るのが主な用途になりますので、逆に言えば、それ以外の時には着ないので、何十年も仕舞いっぱなしということも少なくありません。

年に一度でも陰干しと点検をされていた場合は良いのですが、いつタンスに仕舞ったか分からないぐらいの年月で風通しもせずに放っておくと、やはり様々なトラブルが発生していることがよくあります。

ご結婚式の日取りも決まって、さぁ、いよいよあの黒留袖を着る日が着た・・・と思ってタンスから出してみてビックリ、というご相談もとても多いです(^_^;)

トラブルの原因としては、やはり長期保管中に風通しと陰干しをしなかったことによるカビが非常に多いです。

その他は、仕舞う前に着た際のシミが年月と共に変色して浮き出てきたケース。

また、黒留袖の場合、陽に当てていなくても、染めの黒が年月と共に退色して黄色っぽくなってしまう場合もあります。

今回は、保管中にカビが発生して、そのカビがさらに変色を起こして柄の大部分が変色してしまった事例です。

黒留袖 柄の変色シミ 染み抜き前

白い波のような柄が広範囲に茶色く変色しています。

このような状態の場合、染み抜きとクリーニングだけでは綺麗になりませんので、柄の修正と再度の金彩加工を施します。

黒留袖 柄の変色シミ 染み抜き後

このように、綺麗な状態に戻すことが出来ました。

当店は染み抜き屋ですが、染み抜きとクリーニングだけでは綺麗にならないお着物でも、色々な加工方法でお着物を再び着ていただけるようなご提案をさせていただきますので、お気軽にご相談くださいませ。